映画と生活

映画のあるとき 映画のないとき

この邦題が好きだ①

今日は邦題問題について

 

なんかこのように書くと

政治色が出ますね

邦題問題と先進国のイデオロギーについて

みたいな

すいません

イデオロギーって言ってみたかっただけです

 

政治とは関係のない(そんなことはありませんが)

映画の邦題に関する個人的嗜好の話となりますので

ご安心くださいませ

 

 

まず前提として

邦題なんてわざわざ必要ないのではないかと思っているところもありますが

色々と観ておりますと

「いやはやこれはなんともいい邦題だな」

「このタイトルで決まったな」

などと本当に頷ける邦題に出会ったりすることもあるもので

あながち否定もできません

 

なので最近観た映画の中で

気に入ったものを少しまとめてみたいと思います

 

まずはこちら

 

邦題『彼らは生きていた』
原題 "They Shall Not Grow Old"
2018/イギリス

 

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They shall not grow old trailer/Intro Song

 

原題をそのまま訳すと

「彼らは老いてはならない」

といったところでしょうか

 

あらすじはこちら

 

ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソン監督が、第1次世界大戦の記録映像を再構築して製作したドキュメンタリー。

第1次世界大戦の終戦から100年を迎えた2018年に、イギリスで行われた芸術プログラム「14-18NOW」と帝国戦争博物館の共同制作により、帝国戦争博物館に保存されていた記録映像を再構築して1本のドキュメンタリー映画として完成。

2200時間以上あるモノクロ、無音、経年劣化が激しく不鮮明だった100年前の記録映像にを修復・着色するなどし、BBC保有していた退役軍人たちのインタビューなどから、音声や効果音も追加した。過酷な戦場風景のほか、食事や休息などを取る日常の兵士たちの姿も写し出し、死と隣り合わせの戦場の中で生きた人々の人間性を浮かび上がらせていく。

映画.comより

 

これはもしまだ未見の方がおられましたら

コロナが落ち着いた是非観ていただきたい一本です

(コロナが落ち着いたらってもう20000回言ってる)

 

戦争世代ではないぼくたちは

書籍 ドラマ 映画を通じて戦争を知り

知識として頭に保存してきていると思います

個人的にも戦争映画には関心があり

勉強を兼ねて興味のあるものは片っ端から観てきました

 

ですが

恥ずかしながら

「この戦争はどことどこが争ってるんだっけ」

「そもそも争いの原因はなんだ」

「戦闘ってなんだかゲームみたいだな」

など

とてもいい歳をした大人の言葉とは思えないほど幼稚で陳腐な印象を持つこともありました

 

平和な日本で生まれたぼくには

やっぱり戦争はどこか他人事で

とてもじゃないけど戦時を生きた人々の感情に寄り添うことはできません

 

ただぼくにとってこの映画は

少し違いました

 

この映画には

戦時に生きた人々の偽りのない声が

教科書には載っていない 描けるはずのない当時の本当の暮らしが

実際の映像とご本人たちによる証言として

ありありと映されているのです

 

戦争に駆り出される人は

昨日まで食品を売っていたり郵便物を配達していた市井の人々です

戦っている人だって本当のところは

戦っている理由は分からない

休息日だってほしいし

はやく終わって欲しいと思っています

 

「どこかゲーム感覚だった」

 

当時を振り返ったこちらのセリフは

まさにぼくも感じていた印象と重なるものでした

 

もちろん

まだまだ知られていないもっと悲惨でもっと残酷なことがたくさんあったと思います

これを観て戦争を理解したとも到底思えません

全てを知るつもりもございません

 

ですが

戦時に生きた人もぼくもあなたも

何も変わらない同じ人間なんだなという

当たり前のことに

改めて手に触れたような

そんな感覚です

 

『彼らは、生きていた』

画面の中の彼らは老いてはいけない

生きていた彼らを忘れてはいけない

まさに「彼らは生きていた」

生きていた彼らには

今と何ら変わらないし色彩が確かにあったのです

 

 

続きまして

 

 

やっぱり

一つの作品でかなり長くなってしまいましたので

続きはまた次回といたします

勝手にシリーズ化します

気に入っていない邦題についても書きたいです